インフルエンザは冬の時期に流行する病気として有名ですが、合併症によって亡くなる方も毎年一定数存在しています。

インフルエンザ脳症は子供が発症しやすく、一歩間違えると命は助かっても後遺症が残ってしまう恐れがあります。

そのような事態になることを予防するためにも、インフルエンザ脳症とは何か、初期症状の危険サインの見極め方と対処法などをご紹介します。

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インフルエンザ脳症(脳炎)とは?

インフルエンザの合併症で最も多いのが脳症です。

脳症の主な初期症状には以下のような神経症状があります。

  • けいれん
  • 意識障害
  • 異常行動

脳症の発症は急激なものであり、インフルエンザを発症したその日から2日目頃までに発症するとされ、約80%の方が発熱後の数時間から1日以内に神経症状が見られます。

脳症の症状が進行してしまうと

  • 腎障害
  • 胃腸障害
  • 肝機能障害
  • 凝固障害

などといった臓器障害が引き起こされる恐れがあります。

10年前までは脳症になった方は30%の割合で亡くなっていましたが、脳症に関する知識が普及してきたことで死亡率は10%ほどに抑えられてきました。

しかし、脳症を引き起こした患者に後遺症が残る確率は25%となっている為、油断はできません。

脳症は幼児や赤ちゃんといった1歳~6歳頃までの子供に多くみられ、毎年100人~300人ほどの脳症(脳炎)患者が出ています。

脳症と脳炎の違い

脳症と脳炎の症状は似ていますが厳密な発症の仕組みは異なります。

脳症は脳内にウイルスが検出されないにも関わらず、過剰に免疫反応を引き起こすものであり、脳炎はウイルスが直接、脳に侵入して炎症を引き起こすものとされています。

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脳症の原因

脳症が引き起こされる原因は明確に解明されているわけではありません。

ただし、解熱剤に含まれているアスピリン、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウムなどがインフルエンザ脳症を引き起こす原因になっているとされています。

インフルエンザに罹ると高熱が出て市販の解熱剤などをつい使用してしまいがちですが、熱があるからといって解熱剤を安易に使用するのはかえってインフルエンザ脳症のリスクを高めてしまうと考えられます。

解熱剤というものは病気を治す薬ではなく、一時的に辛い症状を楽にしてあげるだけの薬である為、高熱が出ていても酷い症状が確認されていなければ無理に使う必要性はありません。

インフルエンザに罹ると発熱するのは、ウイルスが体の体温を上げているのではなく、体がインフルエンザウイルスを撃退しやすいように体温を上げています。

引用:子供のインフルエンザに罹った時に注意すべき5つのこと

インフルエンザに罹った時は市販の解熱剤ではなく、医師が処方した薬で適切な指示通りの服用をするようにしましょう。

脳症の危険サインと判断基準

インフルエンザ脳症を発症しているかどうかを素人の判断で見極めるのは困難です。

しかし、インフルエンザ脳症に罹ったかどうかを医者が常に見守ることも難しい為、発症した時に備えて脳症の初期症状と判断できる危険サインや判断基準を頭の中にインプットしておくことが大切です。

インフルエンザ脳症
インフルエンザ脳症が疑われる症例の初期対応

インフルエンザには脳症(脳炎)以外にけいれんを引き起こすケースがありますが、

  • 持続時間が15分以上
  • 繰り返し痙攣が起きる
  • 左右対称ではない痙攣

などといった症状が見られた場合は、脳症の可能性があります。

また、意識状態が明らかに悪かったり、異常言動や行動が1時間以上続く場合も脳症を疑いましょう。

以下の図ではレベル別で意識状態を区分け、判断しています。

インフルエンザ脳症
引用:Japan Coma Scale
インフルエンザ脳症
乳幼児の意識レベル判定法

もし、インフルエンザ脳症の疑いがある場合は早急に医療機関でみてもらうようにしましょう。

インフルエンザ脳症の予防策

インフルエンザ脳症に罹るリスクを下げる為には予防接種を受けることが重要であるとされています。

65歳以上の健常な高齢者については、約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったという報告があります。小児については、1歳~6歳 未満の幼児では発病を阻止する効果は約20~30%で、1歳未満の乳児では対象症例数が少なく効果は明らかでなかったという報告がありますが、インフルエ ンザワクチンは罹患した場合の重症化防止には有効と報告されています

引用:http://child-neuro-jp.org/visitor/qa2/a3.html

予防接種はインフルエンザの重症化を防ぐといった意味で使用されている部分がある為、脳症を発症しやすい1歳~6歳頃までのお子さんには予防接種を受けさせた方が良いと言えます。

しかし、インフルエンザ脳症は原因が明確に解明されていない為、確実な予防策は存在していません。

脳症になる原因が明確に分からない以上、インフルエンザ自体に罹らないようにすることが最も分かりやすい予防策であると言え、日頃から手洗い、うがいや免疫力を高めておくことが大切です。

>>インフルエンザの感染を予防する食品

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